思う存分こだわって建てられるのが、注文住宅の醍醐味。
ですので、本来、他人と比べる必要はないのですが、目安を知っておくことも重要です。
注文住宅の相場以外にも、実際に建てた方の世帯年収や家づくりに関わる諸経費など、
気になる情報をデータを基にまとめました。ぜひ、参考にしてください。
目次 |
注文住宅の相場を知るには、いくつかの方法があります。そのなかでも、信頼性が高いのは国土交通省が毎年発表している住着工統計と住宅金融支援機構が公表している、フラット35利用者調査です。
県別に集計しているので、それを見れば、神奈川県の相場も知ることができます。それでは、2018年度版を詳しく見ていきます。
神奈川県の注文住宅の平均の建設費は3,663万円です。
「え、そんなにするの?」と驚かれた方もいらっしゃるかもしれません。注文住宅の金額は、それぞれのご家族によってまちまちです。ただ、高額の商品である住宅は、安くできる下限が決まっています。そのため、平均をとると、どうしても高くなってしまいます。調査機関が発表するボーナスの平均額を見て「こんなにもらっているの!」と驚くのと同じです。実際に、建築に携わっている私から見ても、この平均値は「高いな」と感じるので、気にしなくていいです。
そして、平均の住宅の面積は、127.5㎡です。
坪数に換算すると、約38.56坪です。
こちらも「坪数で言われてもピンとこない」または「そんなに大きいの?!」と驚かれるかもしれません。最近は、省エネのことや毎日のお掃除の軽減を考えて、小さめの家に住む方が増えています。設計を工夫すれば、30坪前後でも、快適に暮らせます。平均値にこだわって、大きさを決める必要はありません。自分にあった大きさを、実際の家を体感しながら、決めることをお勧めします。
そして、建設費を坪数で割った
坪単価に換算すると、なんと! 約95万円です。
住宅会社のチラシやテレビCMで、坪単価○○万円と書かれた広告をよく見ます。それと比べると「こんなに高いの!」と驚かれるかもしれません。なぜなのか、簡単に説明します。
住宅金融支援機構が発表している建設費は、実際に住宅ローンを申し込んだときの建設価格です。
一方、住宅会社が、チラシやテレビCMで宣伝している坪単価は、仮設工事や申請費用、オプション工事の費用などが含まれていないサンプルとしての金額です。
なぜ、そんなに差が出るサンプル価格を宣伝するのかというと、それには理由があります。
家はオーダーメイドなので、建築主の要望や建築する地域によって、値段が変わってきます。とはいえ「すべての要望が固まるまで、見積もりは出せません!」とも言えません。
目安を知らずに、高額な家づくりを進めるわけにはいかないので……。苦肉の策として、建てられる方の要望や建築地域の状況を一切無視して、いらないものをできるだけ省いて、状況に左右されない目安として金額を示しているのが、広告の坪単価です。悪気があったり、騙そうと思ったりして、そのような金額を広告しているわけではありません。
こうした事情から、坪単価は、建物以外にかかるほとんどの費用が含まれていません。
建物の「標準仕様」と呼ばれるものだけの価格です。標準以外にかかってくるオプションや、建築地域によって変わってくる経費や住宅ローンや税金などの諸費用は含まれていません。
ですから、坪単価の意味をしっかり理解して、家づくりを進めてください。
そして、もう一つ重要なことがあります。
それは、この坪単価の「標準仕様」が、住宅会社によって、さまざまだということです。明確な規定がありません。贅沢な設備を標準仕様にしている会社もあれば、極端なケースでは雨露をしのげればいいという標準仕様の会社もあります。
ですから、坪単価がいくらか、ということだけではなく
1.建物の坪単価の中に、なにが含まれていて、なにが含まれていないのか
2.どのような標準仕様なのか
をよく確認するようにしましょう。
注文住宅の場合、建物以外にも、いろいろな費用がかかってきます。この辺りから、話が少しややこしくなります。
例えば、車を買うときに、車の金額以外に、税金や保険、駐車場がない場合は、駐車場を契約する契約金などが別でかかってきます。
これと同じように、注文住宅を建てるときに、税金や保険、ローンの手数料など、さまざまな費用がかかってきます。
ここで重要なのが、住宅は高額なため、このように別途にかかってくる費用も、かなりの高額になるということです。そして、その費用の支払いの多くが、現金になります。当たり前ですよね。車を買うときに「税金を車のローンに入れておいて」とは言えないのと同じです。
ですから、家づくりに付随する諸費用がいくらくらいかかるかを事前に知っておくことは重要です。相場を調べる際には、必ず、この家づくりにかかる全体の費用を押さえておきましょう。
家づくりの全体費用は、主に以下の三つです。
基礎や土台から構造材、内装やキッチン、バス、トイレなど、建物に該当する費用を本体工事費といいます。
目安としては全体の70%ほどです。
ですから、神奈川県の相場で考えると、2,564万円くらいが本体価格になります。
地盤の弱い土地の地盤改良や、電気・ガス・水道などのライフラインを自宅に引き込むために必要な、いわば、家づくりの準備にまつわる費用です。この金額は、建築地の状況によって変わってきます。神奈川県は、軟弱地盤の地域もあるので、場所によって大きく金額が変わります。
家づくりにかかる費用の10%から20%くらいを目安にしておくとよいでしょう。
住宅ローンを借りるときの手数料や登記費用、火災保険の保険料など、家を建てるときには、いろいろな諸費用がかかってきます。仮住まいが必要な場合は、その費用もかかりますし、引越しなどの費用もかかってきます。家づくりにかかる費用の10%くらいを目安にするとよいでしょう。
そのような費用も含めて、全体の家づくりのお金を考えてください。
建物の構造、工法によって、建築費用は大きく変わります。
国土交通省が毎年発表している住宅着工統計2018年度版を見ながら
その違いを見ていきます。
神奈川県の木造住宅の価格を見ると、一戸当たりの平均価格が2,089万円です。
全国平均の2151万円より62万円低くなっています。
割合で見ると、2018年に神奈川県で建った家の約84%が木造住宅でした。数字で見ると、大多数が木造住宅であることが分かります。全国平均も87%なので、日本人は木造住宅が大好きなことがよく分かります。
神奈川県の鉄骨造住宅の価格を見ると、一戸当たりの平均価格が3741万円です。
鉄骨造住宅は、大手ハウスメーカーなどのプレハブメーカーの家が多いのでどうしても価格が高くなりがちです。木造住宅と比べると、1652万円も高くなっています。
割合で見ても、全体の約16%になります。鉄骨造住宅は、6軒に1軒ほどの割合です。戸建てだけで見ると、この二つの工法で約100%になります。
簡単に、木造住宅と鉄骨造住宅のメリット、デメリットを解説しておきます。
木造住宅のメリットは、なんといっても価格です。神奈川県での鉄骨造住宅との価格差は、1652万円にもなります。
デメリットは、木造住宅は、施工業者によって、品質のバラツキがあることです。木造住宅は現場でつくり上げていくので、管理体制がしっかりした会社でないと思わぬトラブルに巻き込まれたりします。しっかりと業者選びをしていきましょう。
鉄骨造住宅のメリットは、工場生産のため品質にバラツキがないことです。また柱の少ない広い空間をつくることができるのも大きな特徴です。
しかし、デメリットは、建物の重量が重いため材料の運搬費や基礎工事が大掛かりとなり金額が高くなってしまうことです。
どちらも一長一短がありますので、しっかり比較して、自分たちに合った業者を選びましょう。
最後に、土地と建物を合わせて住宅ローンを組まれる方のデータを見ていきます。
住宅金融支援機構のフラット35利用者調査を見ると、土地と建物を一緒に購入して住宅ローンを組んだ方の相場を知ることができます。
調査結果を見ると、土地の購入費用が2289万円、そして、建設費が2568万円。
合計で、4857万円でした。
年齢は38.5歳、ご家族の人数は3.3人、世帯年収は694万円でした。
そして、自己資金の平均が467万円、住宅ローン(住宅金融支援機構から)の借入金が4148万円で、毎月の返済額が13万5600円でした。
この数字も、あくまで目安として考えてください。住宅ローンは、ご家族ごとの家計によって返済できる金額が変わってきます。
例えば、同じ勤め先で、同じ勤続年数、同じ年収のAさんとBさんの場合、銀行から借りられる金額は、ほぼ同じになる場合が多いです。
しかし、Aさんの奥様は専業主婦でお子様は2人、Bさんの奥様は正社員として働いていてお子様は1人。
AさんとBさんの家計はまったく変わってきます。そのため、返していける月々の住宅ローンの金額は変わってきます。
ですから、いくら借りられるかではなく、いくらなら安心して返していけるかをしっかり把握するほうが、相場を知るよりも重要です。
事前に、専門家に相談することをお勧めします。私どもは、住宅会社として住宅ローンの計画をさせていただくのと同時に、第三者のファイナンシャルプランナーにお願いして、セカンドオピニオンを交えて、念には念を入れて返済計画を組んでいます。住宅ローンに関しては、しっかりと計画をしましょう。
相場を詳しく見ていくと、だいたいの目安が分かってきます。
しかし、ご家族ごとのこだわりを形にするのが注文住宅です。
あまり相場に引っ張られる必要はありません。
では、注文住宅で成功するご家族、失敗するご家族、その違いは、どこにあるのでしょうか?
長年、建築に携わってきて感じることは、成功するご家族は、面倒くさがらずに少なくても3社は現場見学会を見て回っています。
現場見学会とは、住宅会社が行っている実際に建てた方のお家を借りて行う見学会です。モデルハウスなどの、見せるために装飾された家ではなく、実際に建てた方が住む現実的な家を見学するイベントです。
家は、どの家も同じように見えるかもしれませんが、プロの目から見ると、まったく異なります。
実は、素人の方には、分かりにくい現場の管理状況や職人さんの腕の良し悪し、内装や設備機器の仕上がり具合は、手を抜こうと思えばいくらでも手を抜くことができます。そのような、注文住宅の良し悪しを見分けるポイントがいくつかあります。
そのポイントは、現場見学会を3社回れば、だんだんと分かってきます。
もしかしたら、すでに総合住宅展示場などへ見学に行かれた経験があるかもしれませんが、ぜひ、大手ハウスメーカーや地元の工務店から、数社選んで、現場見学会に参加してください。
もし、地元の工務店の現場見学会でどこに行ったらいいのか分からないという場合は、ぜひ、私が経営する横浜市の工務店、東洋プロパティの見学会にお越しください。
ほぼ1カ月に1回、現場見学会を開催しています。弊社で注文住宅を建てていただきたいのはやまやまですが、それはお願いしません。あくまでも、あなたのご判断です。お願いしたいのは、見て回る3社の中の1社に、東洋プロパティを加えていただきたいのです。
3社の中の1社に加えていただくメリットの、ほんの一部を紹介すると、次の通りです。
メリット1
大手ハウスメーカーと同等の仕様でも500万円安い、2,000万円台の注文住宅がどのような家か分かります。
メリット2
安心安全に返していける金額はいくらなのか?
住宅ローンで気を付けるべきこと、金利の注意点や住宅ローンの選び方が分かります。
メリット3
追加料金一切なし、明快見積もりで安心して建てられる「コミコミ住宅」がどのようなものか分かります。
メリット4
ZEHビルダー登録事業者だから分かる、コストを抑えてZEHを実現する注意点が分かります。
メリット5
地元の工務店だからできる、土地選びで成功する人と、失敗する人の違いを知ることができます。
メリット6
軟弱地盤の地域もある神奈川県で、地震に強い家づくりのチェックしなければならないポイントが分かります。
メリット7
冬暖かく、夏涼しい快適な住まいをつくるために押さえておかけなければならない、断熱材の選び方が分かります。
以上は、ほんの一部です。見学会にご参加いただければ、もっと多くのことが分かります。
また、東洋プロパティの見学会は、ゆっくりと相談できるように、予約制にしております。また、見学会に参加したからといって、強引な売り込みなどは一切ございませんので、安心してご参加ください。
ご予約は簡単です。予約見学会専用ページからお申し込みください。
予約見学会は、ほぼ毎月行っております。時期の関係で、次回の予定が掲載されていない場合は、下記のお問い合わせフォームに「次の見学会を教えて」と書いてメールをください。すぐに、次回の予定をご連絡させていただきます。
それでは、見学会でお会いできることを楽しみに、お待ちしております。
追伸:
注文住宅は高額な買い物です。
多くの方にとっては、一生に一度です。
慎重に選んでいただくためにも、
ぜひ、東洋プロパティを比較検討の1社に加えてください。